中小企業の社員育成と組織づくりを支援~ファクター・コンサルティング(幸本陽平事務所)

ビジネスや社員育成に役立つ情報をお届けします。原則火・金曜更新

社員はあなたの発言を過剰に受け取ります

私は「これは失敗だったな」と反省していることがあります。

※以下の情報は社名等がわからないように多少脚色してあります。

私の経験を活かし、化粧品会社のコンサルティングをしていたときのことです。

その化粧品はいわゆる「カウンセリング化粧品」です。デパートの化粧品売場のような、一人ひとり丁寧に接客して販売する化粧品、と思っていただければよいでしょう。

私は接客のコンサルティングは担当していなかったのですが、ふと、気付いたことがありました。

「お客様にどのタイミグで話しかけるかの統一基準がなく、バラバラのようです。ある店員さんは前に通りがかっただけの方にも話しかけますし、別の店員さんはお客様から話しかけられたときにだけ応対しています。バラバラに話しかけるのではなく、話しかける統一の基準があった方がよいのではないでしょうか」

私は何気なく気付いたことを、その場にいる店員さんに伝えました。

すると後日、責任者の方からこう言われました。

「現場から、幸本さんの言うとおりにしたら売上が下がった、と不満が出ているんですよ」

えっ!?と思い、さらに詳しく聞きました。

「幸本さんから『お客様に話しかけてはいけない』という指導があったんですよね。店員がその通りにしてあまりお客様に話しかけないようにしたら売上が落ちたんだそうです。幸本さんの指示に背いてもっと積極的に話しかけ、それで売上が回復した、と言っているんです」

私は言っている意味がわかりませんでした。私は「声を掛ける基準を作るべき」とは言いましたが「声を掛けるな」とは言っていなかったらです。

人によって接客方法がバラバラだと何が最適なのか後から振り返ることもできない、だから統一基準があった方がよいですよね、と指導したつもりでした。その統一基準が「どんどん声をかけよう」であるならば、それはそれで後から良かったのか精査すればよいわけですから。

どうやら私が「バラバラに話しかけないで基準を作ろう」と指摘した点の「バラバラに話しかけない」だけを把握し、「話しかけてはいけないんだ」と解釈してしまったようです。

私からすればそんなことは言っていません!と言いたいところですが、伝え方が悪かった私に責任があります。おそらく店員のみなさんは「幸本さんの指示をしっかり守ろう」とした結果、このような混乱を招いたのでしょう。結局、私に対する不信感が残る結果になってしまいました。

このように、特にあなたが社長や役員といった立場にある場合はちょっとした一言にも注意が必要です。

「指示」なのか「社員に考えさせる」のか、明確な線引きをしておく必要があります。そうしないと、

あなた「こんなことをしてみてもいいんじゃない(別にしなくてもいいけど)」

社員「社長はこれをしろと言った、しなければ!」

という食い違いが発生し、「これを絶対しろなんて言ってないだろ!」といった混乱が発生します。

私はこの一件以来、私からの発言が「指示」なのかそれとも「社員さんなどが自分で考える」のかを明確にするようにしました。

あなたの何気ない思い付きの発言も、社員は指示や命令だと受け取る可能性があります。

ちょっとした発言も注意し、これは指示なのかそうでないのか、しつこいくらいに区分した方がよいでしょう。

 

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