何かを否定したくなったときこそ自分自身を見つめ直す
人間、年齢を重ねると、どうしても頭が固くなります。
そして「自分の常識とは異なるもの」を否定したくなります。
たとえば「Youtuberが小学生のなりたい職業に!」などというニュースを見ると
「Youtubeに動画をアップしてるだけでしょ、バカバカしい。憧れの職業だなんて世も末だ」
と思ってしまいませんか。
とはいえ、冷静に考えると、生まれたときからテレビよりもYoutubeに親しんでいる小学生にとっては、テレビにいつ出るかわからない芸能人よりも、スマホなどでいつでも見られるYoutuberの方が憧れの存在なのかもしれません。
自分の常識や好みと違うからといってなんでも否定してしまうと、新しいことを学ぶことができなくなります。
これはビジネスにおいてももちろん同様です。
私は化粧品のいわゆる高級ブランドに勤務していたのですが、2000年前後くらいまで、
「高級ブランドはWEBサイトを持つべきか」
という議論がありました。
その理屈はこうです。
高級ブランドは限られた一部の顧客を対象にビジネスを行い、そのブランドのイメージのコントロールにも細心の注意を払う。出店も一等地やデパートなどに制限している。
だから、たとえば誰でも目にすることができるテレビCMなどは、対象顧客への到達としても、ブランドイメージの保持としても、ふさわしくない。
広告も、ブランドイメージに合致した雑誌などに制限すべきである。
では、WEBサイトはどうか。
WEBサイトというのは、インターネットにつないでURLを打ち込めば、いつでも誰でも目にできる広告手段である。雑誌などと違い、幅広い人が目にする可能性がある。
だからブランドイメージの保持という点で、高級ブランドはWEBサイトを持たない方がよいのではないか。
…と、このようなことが、本気で議論されていたのです。
今となっては、高級ブランドであろうとなかろうと、WEBサイトがないというだけで逆に大丈夫?と思われてしまいますよね。
おそらく当時は「高級ブランドの情報伝達は雑誌や店舗、プレス発表会など、限られた場所でやるもの。だからホームページなんていらない」という人がいたのでしょう。
それは今の「Youtuberなんて...」という人と同じかもしれません。
自分が否定したりバカにしたくなったときこそ
「私は変化に対応できず、昔に固執してしがみついているだけではないか?」
と振り返る勇気が必要なのかもしれません。