身近なニュースで学ぶマーケティング講座

世界一カンタンで効果が出る市場調査「5人聞き取り」を提供する幸本陽平が、身近なニュースでマーケティングを解説します。

マーケティングを理解するコツは「専門用語を使わない」

たまにですが、私はこのように聞かれることがあります。

「幸本さんのマーケティングコンサルティング(または研修)の特徴って何ですか?」

専門用語を使わない

こう聞かれると、自分のことは自分では意外とわからないので、答えに窮してしまいます。何だか自分について語るのは恥ずかしい、というのもあります。

最近では、次のように答えることにしています。

「私のコンサルティング(研修)の特徴は、専門用語をなるべく使わないことです」

私の書籍「今ある在庫がみるみる売れる12の方法」「あっ、欲しい!のつくり方」いずれも、編集者の方とはマーケティングの専門用語を使わないマーケティングの本を作りましょう」からスタートしています。

なぜ、マーケティングの専門用語をなるべく使わないのか。もちろんその第一の理由は、マーケティングを知らない人にもわかりやすくするためです。専門用語を見ただけで勉強する気が失せてしまう、という人は少なくありません。

しかしそれにプラスした理由として、マーケティングの専門用語は「ぱっと見、なんとなくわかった気になりやすい」から、というのもあります。

わかりやすい用語こそ曲者

例えば会計を例に出すと、「減価償却費」「固定資産除却損」といった言葉は、日常会話ではまず使われません。そのため、こういった用語は「知っている/知らない」にきっぱりと分かれます。

ところがマーケティングの場合、「コンセプト」「ターゲット」「チャレンジャー企業」など、「なんとなく聞いたことがある言葉」が数多く出てきます。

もしまったくわからない言葉だったら、調べてみよう、聞いてみよう、と考えます。しかし上記のような「なんとなくわかる言葉」だとなんとなくわかったままになりがちなのです。

そのため、場合によっては間違って覚えてしまうこともあります。例えばマーケティング用語で使う「販売促進」は、試食販売をしたり、看板を立てたりして、お客様に購入を促すことを指します。しかしある人は、「取扱店舗の増加」も販売促進のひとつだと考えていました。

確かに取扱店舗が増加すれば、「販売」は「促進」されます。しかし一般にマーケティング用語では、取扱店舗の増加は「流通(施策)」に含まれ、「販売促進」には含まれません。

とはいえ、「販売促進」は何となく誰もが「販売を促進するんだろうなあ」と理解できてしまうため、店舗数アップといったことも販売促進に含めてしまう、という気持ちもわからなくはありません。

このように意味が「推測できてしまう」言葉がマーケティングには数多くあります。そのため、マーケティングや研修では、余計に気を使う必要があります。

逆にコンサルティングや研修を受ける方も、マーケティング用語は要注意です。「つまりそれって~のことですよね?」と指摘されるものの、全然違うので話がかみあわない…ということがまれにあります。失礼ながら、その方がマーケティング用語を誤って覚えているのです。

特に「ブランディング」といった言葉は概念的な要素が強く、明確な定義がないため、双方で思っている意味が異なる、なんてこともよくあります。

マーケティング用語は無理に覚えて使うのではなく、普通の言葉に置き換えた方が双方の誤解もなくよいのでは、と私は考えます。