身近なニュースで学ぶマーケティング講座

世界一カンタンで効果が出る市場調査「5人聞き取り」を提供する幸本陽平が、身近なニュースでマーケティングを解説します。

技術よりも幸福を追求しよう

中国の無人スーパーについてのニュース記事が、マーケティングの本質を突いていました。

jbpress.ismedia.jp

以下、中国の記者と近隣住民との会話の引用です。

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あなたの思いは伝わらなくて当たり前

ある広島の食品会社を支援したときのことです。

(以下、実例のため、名前などを公開できず内容が抽象的になることをご容赦ください)

その食品は割と高額の嗜好品で、かつ日持ちがするものでした。

現在は広島を中心に販売していますが、将来的には、東京などへの全国展開を考えていました。

私が指摘したのはその商品名です。

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マーケティングの本当のところを伝えたい

最近読んだ雑誌に、ユニークなカバンが紹介されていました。

それを製造した人が次のように答えていました。

私がこれを作って売ると、いろいろな人にこんなものは誰が買うんだ、絶対に売れない、と言われました。もっとマーケティングをしないといけない、と。

これを読んで、私はうーん...と思いました。

それはこのマーケティングの言葉の使い方です。

ああ、マーケティングという言葉はまだこんな風に理解されているのだな、と。

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【吉野家のヘルシー牛丼】から学ぶ ~ 顧客の真の要望を理解する

吉野家が、ヘルシーな牛丼を発売するそうです。

吉野家は、健康維持に効果があるとされる成分を加えた牛丼「サラシア牛丼」を全国の店舗で売り出した。店舗での調理の際に、東南アジアなどで糖尿病予防に使われる植物「サラシア」の成分を通常の牛丼の具材に混ぜるが、味は通常の牛丼とほとんど変わらない。糖の吸収を抑え、食後の血糖値の上昇を緩やかにするという。価格は通常の牛丼より100円高い税込み480円(並盛り)。

www.asahi.com

吉野家といえども、健康志向のトレンドに逆らうことはできません。

では、「ヘルシーな牛丼」を売れば何でもいいのか?というと、そうではありません。

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【スターバックス リザーブ バー】から学ぶ ~ インナーブランディング

先日、スターバックスで1,231円のコーヒーを飲んできました。

書き間違いではありませんし、トッピングを山ほどした、というわけでもありません。

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もしあなたがスターバックスの店員だったとしたら、

「普通のスターバックス

「1,231円のコーヒーを出しているスターバックス

のどちらで働いてみたいでしょうか?

今回はスターバックスから、従業員育成について考えてみましょう。

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相手の話を引き出す3つのキークエスチョン

5人聞き取りでは文字通り、「どのように聞き取りを行うか」がポイントになります。

初対面の人と話して情報を手に入れる、というのはかなり至難の業です。専門家のインタビュアーやモデレーターがいるくらいですから、なんとなくで行って成功することはありません。

そこで今回は、5人聞き取りに限らず、相手の話から情報を引き出す上で特に重要な3つのポイントをご紹介します。

 

1.具体~もっと詳しく
2.理由~なぜか尋ねる
3.肯定~展開を促す

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【ゴディバとローソンの共同開発】から学ぶ ~ 顧客接点を創造する

ローソンがゴディバと共同開発したロールケーキを発売します。

価格は税込み395円と、過去のロールケーキでも最高価格です。

この件を「ブランドだから高いよね」で終わらせることなく、「顧客接点」という視点で、自分のビジネスに応用できないかを考えてみましょう。

toyokeizai.net

3週間の期間限定で、6月6日から販売を開始した。カカオの香り高いチョコレートクリームを、チョコレートのスポンジケーキで包んだ。まさにチョコづくしの商品。250万食限定で、発売初日だけで20万食が売れた。

初日に20万食!と聞くとすごそうですが、ローソンの店舗数は13,111店舗(2017年2月末時点)。1店舗あたり約15食ですから、妥当な数字のように思えます。

では、なぜローソンとゴディバはこのロールケーキを投入したのでしょうか。

双方にとっての「顧客接点」という視点で考えてみましょう。

1.ゴディバにとって「エントリー客の獲得」

ゴディバは昔は高級チョコレートの代名詞のような存在でした。

海外旅行のお土産でもらったことがある、という方も多いのではないでしょうか。

しかし最近はバレンタインデーの時期にはセブンイレブンでも取り扱っていますし、日本全国のショッピングモールにも店舗を儲けています。

「ブランドを安売りして毀損している」という見方をする人もいるかもしれませんが、このような販売の拡大で、日本での売上を伸ばしているのも事実です。

詳しくは書籍「ターゲット ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?」にも書かれています。

ターゲット ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか? | ジェローム・シュシャン |本 | 通販 | Amazon

グローバル化によって世界との距離が縮まった、という一方で、国によってブランドの扱いを変えるのはよくある手法です。

たとえば中国では、ナイキやアディダスといったスポーツブランドは、ラルフローレンのようなアパレルのブランドと同列に位置づけられています。

ゴディバの場合、反対に日本では「もっと身近なブランドイメージと商品にすべき」という判断があったのでしょう。

特に最近は、シェイク状のドリンクなどで顧客にとって手に取りやすい存在になっています。

このロールケーキも、まずはエントリーとして購入してもらい、ゴディバの世界に一歩を踏み入れてもらいたい、という狙いなのでしょう。

2.ローソンにとって「わざわざ客」の獲得

一方、ローソンにとってはどうでしょうか。

コンビニは、一昔前までは「24時間開いている定価販売の店」くらいの位置づけで、さほど企業間の差は意識されていませんでした。

ところがどうでしょう、最近は

セブンイレブンの◯◯アイスがおいしい」

「ファミマの◯◯チキンが好き」

と指名買いされています。

特に最近ではセブンイレブンがアイスクリームでヒット商品を連発しています。

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ローソンもこのように「わざわざ」買ってくれる商品が必要だったことでしょう。

もちろん従来のロールケーキなど、これ以前にもヒット商品はあったのでしょうが、「あのゴディバの」ケーキ、となるとそれを目当てにやってくるお客さんは増えるはずです。

そしてそれをきっかけに「ローソンのケーキっておいしいね」「今度違うのも食べてみよう」と習慣になれば...といったところではないでしょうか。

特に最近ではSNSを意識した商品づくりも盛んです。

ただの「おいしいチョコロールケーキ」ではなく、「ゴディバのチョコロールケーキ」となれば、SNSに画像をアップしよう、という話題作りにも貢献するでしょう。

3.あなたは誰に買ってほしいのか

今回、ゴディバとローソンは「自社が売りたい客に届けることができる」という点で利益が一致した、といえるでしょう。

ただ漠然と「いい商品を多くの人に売りたい」では、ヒット商品にはなりません。

ゴディバにとっては「ゴディバを手に取ってもらうきっかけにしてほしい」、ローソンにとっては「わざわざローソンのスイーツを選んで、さらにSNSで広げてもらいたい」とお互いの「届けたい客」がうまく一致しました。

あなたも新商品を開発したり、既存商品を拡販したりするときは、モノありきではなく、「誰に」届けたいのかをまずはじっくり考えてみましょう。

 

■■■このニュースから学べること■■■

1.すべてのお客さまが自社(商品)に詳しいとは限らない。まずはエントリー客にアプローチし、裾野を広げる。

2.SNSにアップしたくなる商品を用意し、「わざわざ客」を確保する。

3.誰に買ってほしいか、から商品や宣伝を逆算する。

 

「誰に売るか」を調べる際は、5人聞き取りがぴったりです。

ぜひご活用ください。